バルボティーヌ
私がはじめて買い付けにパリを訪れた時、メトロのシャティーヨン行きに乗り、
蚤の市があるポルト・ド・ヴァンヴで一枚の盛り上がったバラの花のお皿を見つけ、
なんてきれいなお皿なの!と思い購入しました。
まだ、このお皿の名前も、由来も知らない時でした。
日本に帰国してからしばらくして、このお皿は19世紀後半から20世紀のはじめに
流行したバルボティーヌという、陶器の粘土をかなり軟らかく成形しやすくして、
いろんな形の型に入れて作ったお皿であることを知りました。
バルボティーヌの陶器でしばしば目にするのは果物シリーズの
20センチほどのデザート皿。
イチゴ、サクランボ、洋ナシ、ブドウ、珍しいのはドングリなどもあります。
その頃は一年に5回、渡仏していましたから、良い状態のバルボティーヌのお皿を見つけると、いつも買って来ていましたが、その後フランスで見ることも少なくなりました。
その年の12月クリニャンクールのマルシェで、
数枚重なったアスパラガスのモチーフのお皿を見つけたのですが、
日本では白いアスパラガスは缶詰以外に食べたことがないので、
馴染みが薄く迷った末買わなかったのです。
バルボティーヌの中でもアスパラガスのモチーフはとりわけ色合いが豊富で興味がひかれ、一枚でも飾っておくだけで存在感があり、後悔がのこる結果となりました。
状態の良いバルボティーヌ、久しぶりのご紹介となります。
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